左寄せの画像 日本列島は、国土総面積の三分の二が森林でおおわれています。美しい四季の景色は、湿潤な気候風土の恩恵です。
豊かな自然風土とともに生きてきた日本人は、自然の中にあらゆる生命を育み、豊饒(ほうじょう)や繁栄をもたらす生成力を認め、太陽の光、緑香る風、立派な巨木、水、土などに神が宿ると信じてきました。
そして、自然と調和した生活を理想とし、風土を守り暮らしを繁栄させた祖先に感謝の真心を捧げてきました。
神社は、現在こそ立派な社殿が建てられ、そこに神霊を祀っていますが、太古には森そのもの、山そのもの、海そのものを崇めていたといわれています。

左寄せの画像 神社の森のたたずまいは、いにしえの人々の「祈りの心」が、現在の私たちにも受け継がれていることの証しといえそうです。
神社の祭りは、神々に祈りと感謝を捧げる大切ないとなみであり、神と人、人と人とを繋ぐ、コミュニケーションの場です。春にその年の豊かな実りを祈る祈年祭(きねんさい)、秋に収穫を感謝する新嘗祭(にいなめさい)など、年間を通じて様々な祭りが行われます。




神前挙式の起源は神話(『古事記』・『日本書紀』)の中に語られています。
日本各地の島々をお生みになられた、イザナギノミコトとイザナミノミコトの神話です。
この二神は、天上の神の命により地上の「おのころ島」に降りられ、「天の御柱(あめのみはしら)」の周りを両方から廻って結婚の儀を執り行ないました。そして二神が深く結ばれたことで、豊かな日本の風土、新たな神々の命が生み出されたのだと伝えられています。日本の神前挙式というのは、この二神の結婚の儀を起源とするものなのです。
新郎新婦と参列者は正装に身を包み、神聖な儀式殿へ静々と進みます。お祓いで心身を清めた後、斎主は二人の結婚を神々に奉告する祝詞を奏上。そして夫婦の契りを結ぶ誓盃の儀、婚儀を祝して捧げられる巫女の神楽…。永久(とこしえ)の幸福と繁栄を祈って、儀式が執り行われます。